ですので、健康保険料と厚生年金保険料を合わせた社会保険料は経営に大きな負担となります。老齢厚生年金は25年加入していないともらえないということですが、老齢厚生年金がもらえるほど長い間、日本で働いているかどうかわかりません。((あるいは)これから社会保険に加入しても25年の期間を満たせません。)
ですので、会社では労災保険と雇用保険に加入し、あとは自分で国民健康保険に加入すればそれで十分ではないでしょうか?現状では、会社も社会保険料負担があると本当に苦しく、また、従業員も社会保険料控除は生活費にとって大きな負担です。
このような質問に対して、単に法人であれば社会保険加入は義務であり、労働条件が社会保険加入の要件を満足しているのに従業員を加入させないのは、法律違反である!!
と、いうだけでこの外国人社長は納得するでしょうか?法律だから仕方がない、と思ってくれる社長と、それでも、会社も従業員もこんなに苦しいし、老齢年金も貰えないのだから納得できない、と思う社長もいると思います。
そこで、次のように答えるようにしていますが、それでも必ずしも納得してくれるとは限らないかもしれません。
治療等を受けた場合の負担は3割で国民健康保険と変わらないが、会社で 社会保険に加入していると、病気やけがで4日以上連続して働くことができず 休んだ場合、1日当たりの賃金の3分の2が健康保険から出る。(傷病手当金。1年6か月以内。)
もし、6か月以上加入した後に帰国した場合は、脱退一時金が請求できる。
また、25年以上加入で65歳以上からもらえる老齢厚生年金の他にも、業務以外の原因で、障害等になった場合もらえる傷害厚生年金、業務以外の理由で亡くなった場合、遺族がもらえる遺族厚生年金があり、万一、このような状況に陥ったとしても大きな支えとなる。
ちゃんと社会保険に加入していることが、コンプライアンスや福利厚生がしっかりした会社という印象を与え、信用が高まり、求人の際、より良い人材を集めやすい。
<<注.各国との社会保障協定>>
出身国と日本の社会保障制度への二重加入を避けるために、次のような国との間で、社会保障協定があります。
社会保障協定発効済み:
ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、
オーストラリア、オランダ、チェコ(チェコは2009年6月1日発効)
これらの国々で採用され企業などで働く外国人が日本に派遣され、短期間(5年以内など)、日本の企業で働く場合は、日本の制度への加入が免除されます。
また、ドイツ、アメリカとの協定では年金制度加入期間を相互に通算して計算することができます。
★なお、2010年4月1日以降、
在留資格の更新申請をする場合で、社会保険の加入義務がある場合は、申請の際の窓口で健康保険証の提示が必要になります。(09/05/07)
河田経営労務管理事務所
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